橘玲さん「幸福の資本論」読んだ

Kindelで読んだ。

人生の幸福度を、人的資本、社会資本、金融資本の3本柱のそれぞれの充実度から説明しようとするユニークな幸福論。これまでの橘玲さんの著作の集大成という感じです。

オススメ。

人的資本は絶対死守

まずは人的資本。家族関係や友だち関係のこと。資産がなくて低収入の田舎のヤンキーでも、友達関係が充実しているから、ある程度幸せを感じれる、という。

人生の最後の砦って感じがしますね。少なくとも親兄弟とは仲良くやっておきたいものですな。

あと、人的資本に関連して、世の中から差別・いじめがなくならない根本理由も説明されていた。不都合な真実ですね。。。

友だちグループは、「俺らに合う」奴を仲間とし、「ウザい」奴を排除することで成立する人間関係です。これはあらゆる共同体(コミュニティ)に共通する法則で、参加資格に(しばしば暗黙の)高いハードルがあるからこそ、内部の結束が高まります (引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

最貧困女子、も読んでみたい本ですね。

彼女たちは最底辺の風俗業者にすら相手にされないので、インターネットなどを使って自力で相手を探すか、路上に立つしかありません。それでもじゅうぶんな稼ぎにはほど遠く、家賃滞納でアパートを追い出され、ネットカフェで寝泊まりするようになる——すなわち「最貧困女子」の誕生です。(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

。。

なぜ彼女たちは貧困世界に落ちてしまうのか。多くの最貧困女子を取材した鈴木大介氏は、そこに「3つの障害」があるといいます。それが精神障害、発達障害、知的障害です。——これは現代社会の最大のタブーで、それを真正面から指摘したことが『最貧困女子』が高く評価されるべきいちばんの理由でしょう(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

社会資本、金融資本

社会資本が働いて稼げる力のこと。給料が高いか安いか。

金融資本は文字通り、株やら土地やらそのへんの物理的なお金ですね。

人的資本だけあっても、使える金が無いんじゃ、幸せって感じではないですよね。残りのふたつの社会資本、金融資本をいかに充実にさせていくかが、幸せのポイントのようです。

資本をひとつしか持っていないと、ちょっとしたきっかけで貧困や孤独に陥るリスクが高くなることがわかります。それに対して2つの資本を持つことができれば、人生の安定度ははるかに増すでしょう(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

あとは、この本を読んで一番救われた箇所。日本に生まれたことを神と親に感謝ですな。。。

欧米や日本のようなゆたかな社会では、特別な才能などなくても、勤勉と倹約、それに共稼ぎだけで、誰でも億万長者になって経済的独立というゴールに到達できます(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

以前は投資術の著作が多かった橘玲さんですが、もうそれらに関しては書き尽くした心境なんだとか。それでも、最近の経済の動向に合わせて、アドバイスをくださるのは、ありがたいことですね。

ようは投資云々よりもとにかく働けと。定年をすこしでも遅らせることで、定年後の経済的な安定が手に入るんですなぁ。いままではいかに早期にリタイアするかが重要なテーマだったんですが、もうそういう時代ではないと。。。。現実的です。

マイナス金利の世界では、賢いひとは利潤を最大化するために金融資本よりも人的資本を有効活用する、すなわち「働く」のです。(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

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老後の経済的な不安を解消するもっともかんたんな方法は、老後を短くすることです。(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

こういうね、ちゃんと具体的な銘柄がでてくるのも橘さんのサービス精神ですね。

東証の「上場インデックス世界株式(1554)」に積立投資するのがお勧めです。(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

「好きなことで生きていく。」最近のホリエモンさんとかユーチューバーの決め台詞ですね。もうこれが幸せに関してのファイナルアンサーってことでいいんでしょうね。これ以上の結論はでてこないと。

私たちが自分に合ったプロフェッションを獲得する戦略はたったひとつしかありません。それは仕事のなかで自分の好きなことを見つけ、そこにすべての時間とエネルギーを投入することです。なぜなら、誰もがものごころついたときからそれだけをやってきたのですから(引用:橘玲『幸福の「資本」論』)

筆者もちゃんと幸せになりたいものです。