尖閣ビデオはラプラスの箱

尖閣ビデオラプラスの箱

民主党政府があれだけ公開に慎重になっており、公開されることで中国の悪事があばかれるかも、と期待されていたいわゆる「尖閣ビデオ」が昨日Youtube上で公開された。どうやら本物にまちがいないとのこと。ぼくはGigazineで知った。

7/5の朝、ギガジンに尖閣ビデオがリークされた記事を軽くみて出勤。朝だったので詳しく中身を確認することができず。午前中に一度Youtubeの元動画が削除されるが、昼ごろには同Youtube内のミラー動画がではじめ、Gigazineの記事内の動画もそれに置き換わる、アクセスが集中して動画がカクつくことはあるが、いまは普通に見れる状態。
尖閣諸島沖での中国漁船衝突問題、オリジナル映像がYouTubeに流出か Gigazine http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20101105_senkaku_movie_youtube/ 

JR川口駅にも同動画と思われるものをDVDに焼いたものをご自由にお持ちください、と放置されていたらしい。
尖閣ビデオ流出問題】「ご自由にお持ち下さい」JR川口駅尖閣DVD280枚
msn産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101105/crm1011051942038-n1.htm

さて動画の内容。おそらく海上保安庁の方が撮っている。コメントを入れながら撮影してくれてるので分かりやすい。できれば、緯度経度を表示される計器の画面をときどき写すような感じにすると説得力があるのでは。あと、デフォルトで撮影日時、所属艦を画面端に表示する設定にしたほうがいいかも。

最初の衝突は確かに挑戦的で攻撃的、明らかに故意と思われる。ぶつけてきた以外の表現で接触を説明するのは難しいだろう。で、ぶつけたあとは逃走しているので、あきらかにならず者的行動になっているので、中国側の「日本がぶつけた」という発表は嘘っぱちである。

2回目の衝突も、まーやけくそ的な衝突ではある。明らかに当てにきてる。言い逃れはできまい。当てた後やはり逃走している。

だが、この動画が本来期待していた「中国側の悪を暴く」ほどの内容かというとそれほどインパクトは無い。もちろん政府の機密資料が動画共有サイトなどというお気楽な場所に流出してしまったという事実は問題だが、ビデオ公開を封じ込められたせいで、もっとすごい映像があるのではないかと過分に期待をもってしまった。多くの国民がそうだったのではないだろうか。この映像が全てだったとしたら、これはラプラスの箱以外のなにものでもない。ラプラスの箱とはガンダムUCで登場するキーワードで、連邦を転覆させかねない重要な何か、ということで読者の期待を最後までひっぱりにひっぱったあげく、その実まったく大したものじゃなかったという福井晴敏さんのがっかりな仕掛けのこと。あれだけの期待をもたれてガンダムの正史の続編を書いていたのに、こんなオチかよ、と多くのガンダムファンが落胆したことだろう。落胆の原因は過度な期待感であることには間違いない。期待する方が悪いといわれればそれまでなのだが。

尖閣ビデオについても国民はビデオの内容に対して過分に期待していたはずだ。公開されれば中国が対応をかえざるを得ない、もしくは日中関係が決定的に悪化するような出来事、そういう重要な事実が隠されているのではないかとの期待。しかし見終わったあとでは多少の驚きとやっぱりなという感想と、そんな隠す必要のある動画じゃねーだろ、といった程度の感想だ。こんな当たり前の侵略行為、逮捕されて当たり前の動画を確認しときながら、中国の圧力に屈し、船長をあっさり釈放してしまった民主党政府の弱腰に呆れ返らざるを得ない。このビデオをみて怒りの矛先は、ならず者国家シナではなく、民主党政権に向けられるだろう。そう考えると、民主党の自己保身からくるビデオ非公開の決断だったとしか思えない。こんな弱腰で日本の領土・主権がまもられるのか、あのような攻撃をうけて、まともな対応ができないことを世界にしらしめてしまった。このビデオを見てロシア、韓国、台湾などの周辺国が日本に高圧的な態度で領土問題をつついてくることが懸念される。

民主党は一刻もはやく政権の座から降り、売国的な党そのものを解散すべき。


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