資産フライト 山田順:著

日本政府がこのままだと、資産は海外に持ち出すしかない!という内容の本。

資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

資産フライト 「増税日本」から脱出する方法 (文春新書)

要旨

日本は、中流出身の官僚による支配がつづいており、政治家がいくら改革をとなえても、結局官僚の手のひらの上で踊らされているだけといった状態とのこと。官僚は中流出身なので、嫉妬心がつよく、金持ちや成金は許せないというスタイルなので、「庶民感情」をあおり、金持ちから税金をむしりとることに熱心になるのだとか。

金融教育と英語教育の重要性を強調。自分の英語力で海外投資できないと、オフショアの口座開設時などに高額な手数料払うはめになる。

資産フライトと愛国心は別個に考えるべき。政府を愛するのと国・郷土を愛するのは違う。

資本主義ってのは恐ろしいですなー。金融リテラシーのないものはむしり取られるだけ。殺伐としていますが、グローバル経済の時代、日本に生まれた以上、逃げ場はない。批判しててもしょうがないから、資本主義という土俵の上で戦うしか無いんですなー。寒い時代だとは思いませんか。

成毛さんの「日本人の9割に英語はいらない」よんで、「ほっ、英語できなくても生きていけるんだ」と安心したのもつかの間。ぼくの人生もまだまだ長いハズなので、英語やんないとだめか。。。。

以下、気になった箇所の引用

第1の国旗:属地主義の国のパスポートを保有すること
第2の国旗:租税回避地タックスヘイブン:オフショア)を公式居住地とすること
第3の国旗:仕事をする国(働いて所得を得る国)
第4の国旗:資産運用を行う国(キャピタルゲインや投資所得の課税がない国、銀行・証券口座を持つ国)
第5の国旗:余暇を過ごす国(自分の趣味、生きがいを実現する国)

これまで世界中を回って、現地で投資を重ねてきたジム・ロジャーズ氏にとって、まさに日本は「合法なのにそれができない」という不思議な国だった。
 この有名なエピソードは、日本では、この分野でどんなエコノミスト、評論家より信頼できる橘玲氏も、著書『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)で取り上げている。

 たとえば、日本には源泉徴収制度という独特の制度がある。いわゆる給料からの税金の天引き制度である。これは、自分で納税しなくていいという制度だから、サラリーマンなど一般の働く国民から、自分で”考える力”を奪ってしまっている。
 この制度では、会社が税務署の出先機関になるわけだから、一般労働者はお上によって丸裸にされ、ただ働くだけというライフスタイルを強いられる。もし、あなたが給与所得者なら、勤務先の会社と税務署があなたの個人情報のほぼすべてを握っていることに、嫌な気分にならないだろうか?扶養家族から、妻のパート先、子供の進学先、あるいは離婚経験の有無なども、すべて会社が握っていて、その会社は税務署に情報を提供している。これは本来ならプライバシーの侵害だが、源泉徴収という税制度が可能にさせている。
「給料天引きで税金が払われているので、面倒な計算をしなくてすむ」という考え方もあるだろう。
 しかし、その結果、あなたは所得税の税率も、なぜ、住民税がそんな額なのかも知らない。つまり、源泉徴収制度は、言葉を代えれば「思考停止」を強いる制度である。
 (中略)
 この制度はまた、国民を働かせるだけ働かせて税金を納めるだけの「納税マシーン」にする制度だ。まさに、「日本の強さは団結力」の源泉がここにある。

とりあえず、小銭ためて海外投資するための資金づくりから始めないとな。。貯金箱でも買うか・・・。