黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 橘玲:著

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 (講談社+α文庫)

タチバナさんの本、最近よくよんでいますが、内容が重複しているものもおおい。どの本がどんな内容なのか、もう整理がつかなくなってきた。この本も結構前に読み終わっている。とりあえず気になったメモだけ羅列しておきます。

表紙のうらにはこう書かれています。

賢い者だけが手にできるお金と自由

 自由に生きるためには、ひとは経済的に独立指定無くてはならない。そのためには会社にも、国家にも依存せずに、自分と家族を守るだけの経済的な基盤を築くしかない。「リタイアメント」とは砂ほち、経済的独立を手に入れることなのだ。(本分より)


マイホーム購入(住宅ローン)であぼーんしてしまった人へのアドバイス

日本における資産運用ビジネスの最大の矛盾が、じつはここにある。マイホームを購入したひとは、せっせと住宅ローンの繰上げ返済をする以外にやるべきことはない(繰上げ返済はローン金利で貯金をするのと同じことだから、他の運用手段よりも圧倒的に有利だ)。だがこれでは金融商品を買ってもらえないので、銀行や証券会社、フィナンシャルプランナーは、わずかな貯金をどのように「分散投資」するかをあの手この手でアドバイスする。

REITってのがいいらしい

ほとんどの人にとって都内にオフィスビルを持つのはかなわぬ夢だが、REITを使えば、1回のボーナス分程度の投資金額でそれが実現する。そのうえ一定の条件を満たせばREITの運営主体には課税されないというおまけまで付いているから、゛二重課税が避けられる分だけ個別株式より配当利回りは高くなる(利益に対して法人税を支払ったあとに株主への配当が行われると、株主側でも所得税が発生し、二重課税になる。それに対してREITは、非課税のまま利益を配当することができる)。

マイホームというのは不動産投資の一形態だから、分散投資という点では、複数の不動産物件を運用するREITのほうが優れている。同じ不動産投資をするのでも、自宅を売り払ってREITに買い換えたほうが経済合理的だ。



一般人の身の振り方

そのためにもっとも重要なことは、人的資本を減らさないことだ。会社がつまらないといって無断欠勤や遅刻の常習でクビになれば、たちまち人的資本は毀損してしまう。専門知識や特殊技能を身につければ会社が倒産しても困ることはないし、転職によって新たなチャンスをつかむ機会もあるだろう。

このように,二十代のうちは株式投資などにうつつをぬかすより、゛人的資本の構築に全精力を傾けるのが最高の資産運用である。ところが30代もなかばになると、サラリーマンとしての地位は安定するが、同時に先も見えてくる。がむしゃらに働くよりも、資産ポートフォリオの最適化に時間と労力を振りむけたほうが人生の経済的パフォーマンスは向上するかもしれない。



インドのインフィシス

インドの経済改革はソ連崩壊後の1991年に始まったが、現在に至ってもまだ外国人投資家の株式売買をきびしく制限している。だが調べてみると、インフォシス株はアメリカの株式市場に上場されていた(ティッカーは「INFY」)。
株式投資の素晴らしいところは、尊敬する人物が経営する会社をわずかな資金で応援できることだ。資本主義経済では、株価が上がれば企業は有利な条件で新たな資本を調達てき、それによって事業を拡大し、雇用を増やして社会に貢献する。2002年に20ドル前後だったインフォシスの株価は4年でほぼ3倍になり、ささやかながら、私もまたインドの理想主義者から恩恵を受けることになった。


海外で証券口座を開く

証券口座の解説方法はとても簡単だ。
まず、Googleで英語のホームページを持っている銀行や証券会社を検索する。次に航空券とホテルを予約する。あとは現地に行って、「口座を開きたいんだけどどうすればいいの?"Could you please help me open an account with you?"」と聞けばいいだけだ。相手はいきなり現れた外国人旅行者に目を丸くし、それから物好きな異邦人を大歓迎してくれるだろう。

▼口座開設の身分証明はパスポート高、できれば英文で住所が証明できるもの(銀行の残高証明など)を持っていったほうがいい。


FXで生きる

こうして日本国に、奇妙奇天烈なおとぎ話が生まれた。
もしもマーケットの歪みが固定化し、将来にわたって為替相場が一定の範囲に収まるのなら、もはや日本人は働く必要はない。為替FXで高金利の外貨を買い、あとはスワップ金利を受け取りながら遊び暮らせばいいのである。そのうえこの投資法はなんの知識も技術も必要なく、子どもから老人までだれでもできる。
ところでこうした夢のような未来が訪れたら、人々はなにを望むのだろうか。
それは言うまでもなく、低金利と円安が永遠につづくことである。もっとも忌み嫌われるのは、金利の上昇と円高だ。
すなわち、日本を長い不況が遅い、改革は遅々として進まず、1000兆円を超える巨額の財政赤字はさらに拡大し、格差の増大によって社会は不安定になり、株価も不動産価格も大幅に下落するような社会こそが、1億2000万人の国民が働かずに暮らしてゆけるユートピアを実現するのだ。その結果、公的年金や医療制度は破綻するかもしれないが、スワップ金利さえあればなんの問題もない。こうして賢明な有権者は、意図的に無能な政治家を為政者に選ぶようになるだろう。

世界最大のタックスヘイブンはアメリカ

>>
アメリカは海外からの投資を呼び込むため、非居住者の投資家に大幅な税の優遇措置をみとめている。「W8BEN」という非居住者証明を提出するだけで、預金の利子と株式・債券の売却益が非課税になり、配当所得が10%の源泉徴収に軽減される。「世界最大のタックスヘイブンはアメリカ」と皮肉られる所以である。