『学び続ける力』 池上彰さん

学び続ける力 (講談社現代新書)

学び続ける力 (講談社現代新書)

 現代版教養の教科書。なぜ勉強することが大切なのか、池上さんの経験談を含むわかりやすい内容でためになった。


 現在は東工大で、教養課程(リベラルアーツ)の講義をされているそう。と文系の池上さんが、理系の東工大学生に対する教え方で気をつけている点・工夫などが書かれていて、新鮮。


 縦書にこだわったり、大学の講義や、新聞の取材でノートPCにカタカタ打ち込む記者に対して否定的に書いており(自身をアナログ人間と定義したうえで)、そういう主張も人間味があって親しみが持てます。とくに聞きとった内容をローマ字うちでPC入力するのはいかがなものかと書いていて、「その通り!親指シフトならいいってことですよね!」と興奮しながら読み進めたが、親指シフトの話題は出て来なかった・・・。


 記者時代からこだわりの「ノートのとり方」解説もためになりました。取材時はノート見開きの左ページにだけ記述し、右ページには取材(講義)後にまとめや補足など自分が整理した内容を書く、という方式。今度やってみよう。ノートの贅沢な使い方ですね。


 教養のための読書についても細かく書かれていました。ただ読むだけではだめと。ざるで水をすくうようなもので、内容はどんどん忘れていく。感動した本を読んだら、すぐ次の本にはいかず、その本についてよく考えて見ることが大切と。


 また、こどもにとっても読書は大切で、いじめにあっている子どもは現実世界では逃げ場がない。本の世界は大切な逃げ場になる。肯定的な現実逃避なんだとか。ぼくも学生時代、友達いなくて本ばっか読んでたなー。岩波文庫で古典も読みまくったけど、ほとんど内容覚えていない・・・。


 ネットで検索をうまくできれば知識を充分にカバーできるんじゃないのという意見に対しても否定的で、復数の検索結果を重ねあわせて、新しい発想を生み出すことが大事なんだとか。引っ張ってくる(結びつけるための)内容を大量に蓄積していないと、新しい発想には行き着かないから、やはり教養は大切と。情報と情報を結びつけることができるのは人間の脳の働き。機械にはまだ代替出来ないんでしょうね。


 我がブログもいろんな話題に対応できるよう、幅広い知識を備えておくようにします。簡単に言っちゃったけど。

 現代の教養とは向上心!