映画 SPACE BATTLESHIP ヤマト 見てきました。ネタバレ


以下、ネタバレを含むので、これから映画観るって人は読まないでください。

昨日(12/1)が公開初日+1日=映画の日ってことで見てきましたよ!ぼくは年齢的にヤマト世代ではないんですが、まー一般的な日本男児が知ってる程度にはヤマト知っているつもりです。TVシリーズは殆ど見てなくて、結末がどうなったかもよくしりません。劇場版(アニメ)を2作品くらい見た記憶があって、記憶がちゃんぽん状態です。ただ、ヤマトの良さってのは、男の子のロマン(戦艦・巨砲・戦闘機)を見事に具現化したことにあると思っております。

 その実写化ということで、いろんな障壁があったかと思いますが、想像していたよりは、よくまとまった映画になっているのではないでしょうか。原作が少年向けアニメなので、実写化するにしても、細かいツッコミなんか恐れない、強引で実にイサギヨイ作りだったと思います。

 登場人物もなんとなく、イメージ・外見を踏襲しようという配役がされていたと思います。キムタクがちょっとチャラさが際立っており、これは古代進じゃないだろ、ただのチンピラじゃんと思いましたが、集客のためには仕方なかったかと思います。森ゆきは なんかギラギラした戦闘キャラになってしまっていたので悲しかったです。一升瓶と猫つれたお医者さんは何故か女性になっていました。しかし、頑なに一升瓶と猫を携えている姿にはよく頑張ったって感じ。真田さん、沖田艦長、古代守、徳川さんはイメージに近い。あとの人たちも「あーなんかこんな感じの人いたなー」という感じで、わりと自然だった。

 ビビったのがアナライザー。最初は、モバイル端末としてでてきて、例の電子音声でしゃべる。あー、映画ではこういう登場なんだなーと思ったら、終盤本体が登場。例のドラム缶型の赤い体躯は実写版では数倍の大きさになっており、プチモビよりちょっと大きいくらい。すらっとして細長い手足に唖然、でも頭のギザギザはたしかにアナライザーだ。両手にマシンガンで完全にバトル用ロボットです。ひえー、これには驚いた。たぶん、本作最大の驚きはこれ。

 ただ、上記のように原作のファンを喜ばすために地球防衛軍側の配役にこった分、敵側はひどく適当な扱いになってしまった。ガミラスとイスカンダルが同じ星になってしまっていた・・・。イスカンダルにコスモクリーナーもらいにいってようやく到着したら実はここはガミラスでした―残念っ!って、なにそれ。これは乱暴すぎる。そして、ガミラス艦隊にも個性がない。ガミラス星人はみんな怪物のような感じで、原作の用に人間タイプではない。マザーでいうスターマンガンダム00劇場版でいうELS(エルス)、もう完全に異質なものになっている。そして、たまげたことに何百、何千体もいるそのELSたちが全員で一つ、アルファでありオメガ、全員がデスラーであると言い出した。これはがっかり。古代対デスラーの男の勝負は省かれてしまったわけである。

 そして、スターシャも思念体のような感じでしか登場せず、森ゆきに憑依してはじめてスターシャです、しかもコスモクリーナーなんかありません。私がコスモクリーナーです、みたいなこといいだした。うわー。まー映画で時間制限ありますから、それは仕方ないですね。

 しかし、上記のようなあらゆるツッコミにも動じませんよという堂々とした作り込みが、なんどもいうがイサギヨイ。SFチックな作品というとどうしてもアメリカっぽくなりがちだが、そこはほんと純和風な感じで、好感がもてた。ヤマト内の操作端末も普通のpcのキーボードっぽくて、あれが親指シフトキーボードだったら100点満点だったな。

 劇場のお客さんも6,7割が若いカップルで、残りはシングルできてる30後半〜40すぎくらいのおじさん方。みんな楽しみにしてたんだなー。でも、キムタクと警備隊長さんのあのちゃらさにはがっかりしたかもしれない。

 あと、EDテーマ、主題歌が全然ヤマトと関係なさそうな外人の英語の歌。あれにはがっかりきた。劇中、ところどころ、アニメでもしようされていたBGMが入って、うるっときたのに、あのEDはない。ぶち壊しだ。なぜ、宇宙戦艦ヤマトを歌ってくれなかった!最近の歌手にでいいからあの歌をこそ歌ってほしかった。あと、タイトルも気に入らん、なんじゃスペースバトルシップって、宇宙戦艦ヤマトという重厚な響きがまったくない。地球の未来を背負った戦艦だぞ、なんだよスペースバトルシップってしょぼすぎる!

 CGは格段にレベルが高い。コスモタイガーの宇宙戦なんかはスターウォーズと遜色ないくらい。これならガンダムの実写版も可能なレベルまできていると感じました。それは収穫ですね。

 あと、古代の乗機(コスモゼロ?だったかな?)がマクロスっぽく変形する。なぜ変形するかは良くわからんが急制動かけたり、アームで漂流物を拾ったりと、やりたい放題なのです。

 映画見て、若い人達は「きむたくかっこよかったねー、ねー」で満足し、年配の人たちはこれをきっかけにアニメ版のヤマトを見なおして「うむ、やはりヤマトはいい」となるわけで誰が見ても結果的にはおいしい映画がなんだと思います。多少強引だしたが肯定的に締めます。ではさよなら!