半値になっても儲かる「つみたて投資」 星野泰平:著
- 作者: 星野泰平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: 新書
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星野泰平略歴
ほしの・やすひら
1981年、埼玉県に生まれる。2000年,県立浦和高校卒業。2005年、信州大学経済学部卒業。役職3位の株主として日本インベスターズ証券へ参画。同社最年少の24歳で、九州エリアマネージャー就任。金融業界が高齢者・富裕層へのアプローチを強化するのに逆行し、自信と同じ20-30代の資産形成層でも取り組める少額の「つめたて投資」研究に従事。検証回数は10万回を超える。
低収益ゆえ、金融業界が積極的に推進しないため、ほとんど説明されてこなかった「つめたて投資」の特徴の体系化に成功。独立後、雑誌への連載やセミナー、企業研修で投資家教育をする一方、金融機関にも「つみたて投資」を活用して、顧客との利益相反が起こりづらい新しい販売手法を提起しつつ、研修等を実施中。
下がっても安心して取り組める「つみたて投資」の特徴を全世界の人々に紹介するために、5000万世帯が投資信託を保有する資産運用大国アメリカで、日本人で初となる投資本の出版を目指す。オフィシャルサイトで「チームつみたて」会員募集中。
●星野泰平オフィシャルサイト
http://yasuhoshi.me
●ブログ http://yasuhoshi.info
●ツイッター @yasuhoshi
あんまり聞いたことのない方ですが、会社勤め時代は証券マンとしていろいろ苦労されてきたようです。ようは、積立投資はいいよ! 価値が下がってもその分かえる口数が増えるから、ちょっとでも値を戻せばトータルで見たら儲かるよ、とうい内容です。
つみたて投資は1社にではなくパッケージで
実際に投資する場合には、他の要素も絡んでくるので注意が必要です。たとえば、個別株式の場合、1円まで本当に下落する企業は、再生の可能性も極めて低いです。
個別企業に積み立ててしまうと、どうしても倒産リスクやその産業自体の衰退リスクがあるので、複数の企業にパッケージで投資できる投資信託をおすすめします。
ポートフォリオ、危険分散は基本ってことですね。
つみたて投資は、マーケットの転換点を予測し続けるのではなく、その変動を受け入れる投資術です。積極的に市場をコントロールしようとする発想ではなく、その変化を受け入れて、相場の動きと調和しようとする、極めて日本的な考えがベースにあります。
なるほど、そういわれちゃうとなんとなく日本人に適した投資方法に思えてきた。
確定拠出年金の半数は預貯金
私的年金制度のひとつに「確定拠出年金(日本版401k)」があります。これは加入者が運用商品を選び、実績に応じて受取額が変動する年金です。現在、約1万3340社、360万人の方が加入しています(企業型。2010年8月末時点)。検討中の企業を入れると、今後もっと増えるでしょう。
問題なのは、投資教育が不徹底なので、加入者の約半数の人が、運用先に投資信託ではなく、預金を選択していることです。これは本当にもったいないと思います。せっか将来のために積み立てるなら、値動きがある方に積み立てた方が成果が期待できます。確定拠出年金に加入している方は、これを機に自分の運用先を確認してみてはいかがでしょうか。
あ、ぼくもそういえば定期預金(デフォルト)にしてた。投資信託にかえなきゃ。
2000万円を目指す積立額
まず20代の場合は40年間のつみたて投資期間を仮定すると、毎月2.5万円が目安になります。30代の方は30年間のつみたて投資期間を仮定して、毎月3.3万円が目安です。40代の方は20年間のつみたて投資期間を仮定して毎月5万円、50代の方は10年間のつみたて投資期間で単純計算すると毎月10万円です。
うーむ、毎月3.3万円かー。やはりコツコツいくしかないのか。そうだよな。
日本の金融機関は最低で1000円、通常1万円から取り組めますが、正直、毎月1000円のつみたてをしても、老後の資産形成としては焼け石に水です。1000円を30年間したところで36万円なので、それが2倍になっても72万円です。
慣れるまでは少額でも構わないと思いますが、少しずつがんばって積み立て額を引き上げる努力をしてみてはいかがでしょうか。
まさに近道なしってわけです。地道にやってくしかないんですね。
作者の10万回のシュミレーションの結果まとめが丁寧にかかれていました。
一つの目安として、この20年間き間につみたて投資を10年間すると、1.3〜1.4倍程度という結果は押さえておきましょう。
なるほど、思ったより増えないっすね。ま、減らないことが大事ですよね。
「自律」を実施した偉人たち
二宮尊徳
江戸時代後期、今と同じく人口が減っていた長い停滞時代に、飢饉等で困窮しきった610の村々
を建て直した人物がいました。彼の名前は二宮尊徳。小学校の銅像で、巻きを背負っているあの少年です。
彼が用いた手法は「分度推譲(ぶんどすいじょう)」と言います。「分度」とは、支出をある範囲内に抑えるという意味です。借り入れをしたりせず、収入の範囲内の適切な支出に抑えることを言います。「推譲」とは、「分度」の結果として残った部分を、将来のために残していくことです。彼はこの手法を用いて、村々の再生に貢献しました。
二宮尊徳は現在の小田原市で百姓の長男として生まれました。5歳の時に暴風雨で自分が住む一帯が濁流に襲われ、田畑が流れてしまいました。さらに14歳で父、16歳で母を亡くし、伯父の家に預けられました。伯父の家で農業に励みながら、少しずつ荒地を復興させると同時に、残った田畑を少しずつ貸し出したりして、現代風に言うダブルインカムを得ながら、20歳で生家の復興に成功しました。
その後、地主として農地を経営する傍ら、武家奉公人として働きました。小田原藩家老・服部家でその才覚を買われ、服部家の再生で成果を上げ、その後、次々と領地の再生を手がけていきました。
その再建計画は次のようにつくられました。まず一軒一軒、村民の暮らし向きを徹底的に調べ、現状把握をします。各家がどの程度の借金や資産があるのか、すべて調べ上げました。次に、過去の年貢の実績を計算し、おおよその収入の目処をつけ、それを超えない範囲の支出にとどめるよう決めたのです。これが「分度」です。
江戸時代は、前半と後半で時代が大きく分かれます。徳川幕府が開かれた1603年からの前半100年間は、人口が2倍に増える成長時代でした。ところが、後半は人口が増えず、北関東などでは人口が減る停滞時代でした。
江戸時代末期の町村の問題点は、その予算の考え方でした。昔の右肩上がりの考えが頭から離れず、必要な分だけどんどん上積みしていたのです。いずれ収入が追いついてくるだろうからということで、収入を上回る支出を繰り返していました。
ところが、低成長時代はなかなか収入は増えません。二宮尊徳はそこを見極め、「何が必要か必要でないか」という視点から、年貢収入の実績データに基づき、先に、「遣えるお金の限度額」を決めたのです。
こうして生まれた余剰は、地域の復興資金として再投資できます。将来機備えに回したり(自譲)、地域の人に還元したり(他譲)して、いろいろな方法で再投資しながら、困窮しきった村々を再建していったのでした。これが「推譲」です。彼はこの「分度推譲」を村民に説き、610の村々の再生に貢献したのです。
ずばらしいですね。二宮尊徳、まさに日本の偉人の中の偉人。小学校の頃何度もよんでた学習まんが、そのままの内容で20年以上たった今でもうってたので、つい買ってしまいましたよ。
二宮金次郎―農業の発展につくした偉人 (学習漫画 世界の伝記)
- 作者: 三上修平,古城武司
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1990/06
- メディア: 単行本
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「つみたて投資」とひらがなで表記するあたり、流行語大賞もしくは一大ブームを巻き起こすつもりなんでしょうけど、考え方自体はそんな珍しいものではないようです。証券会社にとって儲からないからあまり積極的に宣伝していない、と本書にはあります。ぼくもいくつも証券会社つかってるわけじゃないですが、塩漬け品置き場としてつかっているSBI証券でみてみました。なんと積み立て投資ありました。手数料無料ではじめられる投資信託がいくつもありました。昨年は本読んでも実行に移さずに、うやむやになることが多かったので、今回は速攻積み立て投資を設定しました。いちおう日本のTOPIXに連動する系のやつで信託報酬のすくなめのやつでやってみました。老後の蓄え用です。なんかこの若さにしてすでに守りに入っている感じが残念でなりませんが、確度の低い一発逆転ホームランを狙うよりは着実にいくべきなんだろうなと、庶民だし。とりあえず、今年1冊目です。