(読書)
- 作者: 田母神俊雄、戸塚宏
- 出版社/メーカー: ワック
- 発売日: 2010/05/15
- メディア: 新書
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物々しいタイトル。大丈夫かな、この本・・・と思いながら恐る恐る読んでみましたが、至極まっとうな内容で感激。
目次全部書くと長くなるんで、面白かったところ
- ケンカはしてもいい、だが負けるな
- 挫折の経験が人間性を高める
- オヤジの口癖は「男はやせ我慢しろ」
- 教育の基本は「強制」
- 人間を鍛える合宿生活
- 「負けてたまるか」の気持ちを持つには
- 子どもに性教育、カネ儲けの教育をして何になる
- 防衛大学の教育は「まずカタチから入れ」
- 「体罰は教育である」が変わらない信条
- みのもんた氏の信条なき批判
- バランスのとれた知育、徳育、体育が必要
- アメリカで日本の『教育勅語』が読まれている
- 「公職追放」で空いたポストに「左翼」が復活
- 「偏差値秀才」が牛耳る立法・行政・司法・マスコミ
- 「教育もゼニなり」の端緒を開いた田中角栄
- 拉致を誘発した福田赳夫
- 日本の弱腰外交を知らしめた「近隣諸国条項」
- 中曽根康弘氏が残した靖国の禍根
- 朝日新聞が流しつづけた、デッチアゲ従軍慰安婦報道
- 四時間半語らせて、22秒しか流さなかったNHK
- いまでも台湾人から感謝される八田與一
- 「独立できたのは日本のおかげ」とアジア・アフリカの首脳
- 物欲の差が世界の支配者を決める
- 儒教、武士道を否定して日本人を愚民化
- 日本の裁判官は人間性が低い
- 日本の有罪率、99.8%は"神業"か?
- 男女同権、親子同権は不幸のもと
- 侵略されないための軍事力を持つ
- 情けない謝罪の国、日本
- 子どもたちに自衛隊と宝塚で「夏休み合宿」を
- かつて日本が築いてきた精神論に立ち返れ
田母神 日本もアメリカの愚民政策にやられました。
戸塚 ただ、彼らは「ズルさ」だけでなく、「ウマさ」も持っていることを認めないといけないでしょうね。私が批判している合理主義、理性至上主義というのは、あくあでもソフトの世界の話なんです。
じつは欧米人は、口では合理主義をとなえながらも、ハードを鍛える文化もキチンと持っていて、いまも維持しているんです。その代表例が寄宿舎制度のようなものです。またエリート教育もシッカリしており、日本のように偏差値だけを重視するのではなく、歴史、伝統を重視した教育を行っているのです。要するに彼等は、表面では合理主義を唱えながらも、じつは本能を鍛える教育も子どもに実施しつづけているのです。
戸塚 (前略)
弱い人間というのは、自分でものを考える力がないんです。自分たちでは何もできない。自分たちよりもアメリカが格上と思って、無批判にアメリカ崇拝をし、彼等の言うことを何でも聞いてしまう、愚かな人間たちなんです。
アイフォン好き≠アメリカカブレ っていう図式がちらっと脳裏によぎる・・・。ぼくのことですが。
戸塚 具体論をいえば、集団生活体験法のような法律をつくるのがいいでしょうね。
田母神 それができれば、理想的ですね。
戸塚 いちばんいいのは、小学校を全寮制にすることだと思います。(中略)それから、小中一貫校にしたほうがいいと思います。
(中略)
夏休みに、男の子なら自衛隊、女の子なら宝塚のようなところに合宿させるんです。(中略)こういう団体生活を行わせると、あれが得する、損するというような現象はなくなっていきます。
とくにたいいくは重視したいですね。体育の目的は、意思と感情を強くするところにあるんです。あわせて肉体も強くなるわけです。
田母神 授業の面では、修身を必須科目に取り入れたいですね。
(中略)
日教組の活動も、当然停止させる必要があります。
(中略)
戸塚 いっそのこと給食費も無料にしてしまったらどうでしょうか。共稼ぎ世代の女性には朗報でしょう。出生率が増えるかもしれません。
田母神 (中略) 大学を出てすぐ先生になるのは、やめさせなければならないという点です。五年とか十年、教育界とはまったく違う世界で社会経験を積ませ、それから先生に採用する。大学をでていきなり先生になるから、社会常識に欠けた先生が増えるんです。
そうですよね。ぼくも大学時代は寮に入ってましたが、団体生活は鍛えられる。裏表がでなくなるんで人間性が鍛えられそう。あと、でもしか先生(先生にでもなるか、先生にしかなれない)を防止するために、やっぱり社会経験を積んだ人に先生になってもらいたいですよね。自分のこどもが 大学でただけの坊やに教えられると思うとやはりちょっと心配です。勉強だけを習うわけではなく社会性とかも学ぶわけなので。
戸塚 欧米人は物欲が強いといいましたが、ほんとうに際限がないんですよ。後進国を侵略したら、いくらでも財産を巻き上げることができる。このウマみ、面白みを知ってしまったのが、近代ヨーロッパだったわけです。財産を奪うにあたっては人を殺すわけですが、そこにまったく罪悪感を感じなくなってしまった。殺すよりも、奴隷として使うほうがメリットが大きいと分かれば、アフリカ人を捕らえ奴隷として売り飛ばす。こんな所業を繰り返してきたのが欧米人なんです。
おお、ここまで欧米人(帝国主義のころの)を的確に表現した文章はないんじゃないか。欧米人の侵略の歴史なんて誇れるもんじゃないってことですよ。日本もアジアに進出したけどそこまではやらなかった。
あと、田母神さんが論文問題で更迭されたとき、みのもんたさんにそうとうボロクソに言われて今でも許せないみたいに書いてた。本人にも直接そういったらしい。さすが。みのさんの発言があきらかに論文も読んでないくせに言ってるというのがありありだったとか。私もブログでいろいろ批評するたちばですが、知ったかぶりで批判、食わず嫌いしないよう気をつけます。
子育て、子どもの教育をどうしようか悩んでいたぼくにとってはベストタイミングのいい本、大変参考になりました。べつにブライトさんみたいにビンタばかりしようってわけじゃないですよ。
評価:★★★★☆