- 作者: 遠藤諭
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/06/09
- メディア: 新書
- 購入: 3人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
以下、目次です
- TK-80
- マイコン技術を日本中に広めた立役者 渡邊和也
- FUJIC
- 日本最初のコンピュータを一人で創り上げた男 岡崎文次
- パラメトロン
- 日本独自のコンピュータ素子の生みの親 後藤英一
- MUSASINO1号
- コンピュータに日本の未来を託した熱血漢 喜安善市
- ETL MarkⅢ
- トランジスタと電子技術の重要性を説き続けた先駆者 和田弘
- TAC
- 黎明期最大規模のコンピュータ開発プロジェクト 村田健朗
- FACOM100
- 国産コンピュータを世界にアピールした池田敏雄 山本卓眞
- 産業政策
- 電子立国の立役者となった若き通産官僚 平松守彦
- LSIと液晶
- ロケット・ササキと呼ばれた男 佐々木正
- マイクロプロセッサ
- 世界初のマイクロプロセッサ「4004」を作った男 嶋正利
ほとんどが月刊アスキーのインタビュー記事らしい。上記の偉人の数名はもう亡くなっているので貴重なインタビュー記事だと思います。プロジェクト・Xのコンピュータ限定版のような感じでしょうか。しかし、話が難しい。ほとんどがコンピュータ技術者のお話なので・・・。xx素子、真空管・トランジスタ、、、正直実物を全部見たことが無いからかな。戦後の日本をなんとかしようという強烈なハングリー精神を感じました。
(遠藤さんの日本のコンピュータ業界が世界を主導できるかという質問に)
>>「とにかくいまの世界を見てもわかるけど、それは難しいんじゃないですか。戦争に負けて何とか日本を再建しなきゃいかんという意地のあった連中は消えてしまいました。あるいは、日本はもう一度潰れなきゃいけないのかもしれませんね」<<(和田弘さん)
IBMの強さ
>>(平松守彦さん)「IBMは機械を売ってるんじゃなくて、ソフトウェアというサービスを売っていると気づいていたからです。創業者のワトソン氏もそう書いていますね。機械はレンタルなわけで、要は情報を処理するサービスのほうを売っているんだと。やっぱりIBMの強さはソフトにあるわけですよ。また、私は69年、情報産業議員連盟の視察旅行でアメリカに行っています。IBMのワトソン研究所にはノーベル賞をもらった学者が7人もいるというんですね。医学者もいれば、水理学者もいれば、地質学者もいれば、とにかくいろんな学者がいて、コンピュータのソフトウェアの勉強をしているわけです。」
(遠藤さん)そういう姿勢にはアメリカの底力を感じますね。ソフトウェア開発にしても視野が広い。
(平松さん)「日本の場合はハードを売るメーカーがソフトウェア開発をはじめたわけで、サービスを売るのはもともと不得意なんですよ。それに、日本にはサービスはただという伝統的な意識があります。たとえば薬には金を払うけど、治療に払うとなるとみんな文句をいう。見えないものに金を払うという習慣がないんです。いまだに日本の官公庁でコンピュータを発注するとき、ソフトウェアの項目がないのを知っていますか?」
(遠藤さん)-そうなんですか!いったいどうやって代金を捻出しているのですか?
(平松さん)「コンピュータのハードの代金の中にサービスの保守料としてソフト代を組み込んでいるんです。意識の低さはいまでも変わりません。景気が悪くなると真っ先に予算をきられてソフトウェア会社が四苦八苦してしまうのが現実です」